診療案内
2019.08.10
2019年7月19日パドドゥ・ル・コトブキで開催された
筑豊循環器懇話会に招かれ、心不全の在宅医療について講演してきました。
筑豊の循環器専門医が多数出席され、心不全について専門医ならではの貴重な意見交換も
行うことが出来ました。
講演内容は当院の心不全患者を分析し、診察を通じて感じている問題点や今後取り組むべきこと
などをお話しさせていただきました。
心不全患者の多くは高齢者であり、高血圧・糖尿病・慢性腎不全・認知症など様々な疾患を
合併しています。そのため心不全の治療には、合併症の治療も重要となります。
また、心不全は再発を繰り返し進行していく疾病であり入退院を繰り返したり、突然死に至ることもあります。
心不全再発の原因としては、塩分の過剰摂取や水分が体内に貯留して心臓に負担をかけることが一番多いようです。このため塩分制限と体内の水分貯留の目安となる体重測定は欠かせません。
体重の変動を観察することで、心不全増悪をいち早く発見できることもあります。
また再発時には、利尿剤を投与し心不全の改善に努めますが、利尿剤に反応が弱ければ、循環器のある総合病院と連携し入院治療を行うこともあります。
この10年間の心不全に対する治療は、目覚ましく発展しており総合病院の循環器専門医との連携が重要でそれによって、心不全の予後を左右するともいえます。
心不全の治療には、年齢や生活環境も重要であり、患者一人一人に見合った治療方法をいち早く見出すことも重要だと感じております。