福岡県飯塚市の日本在宅医学会専門医研修施設医療法人楽生会松口循環科・内科医院

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クリニック日記

「乳がん検査について」

2023.06.15

当院では、本年度(令和5年4月)より、乳房の細胞診・組織診ができるようになりました。

現在、日本では、乳がんになる方は年間約9万7千人程度おられて、およそ女性の9人に1人が

乳がんに罹患しております(2019統計)。女性のがん罹患数では、第1位です。

罹患者数が多いですが、乳がんの予後は一般的には良いといわれます。

それでも、年間約1万4千人の方が亡くなっておられます。

女性のがん死因としては第4位です。


今回は、乳がんの検査、とくに細胞診や組織診に関して、説明します。


しこりや乳頭から血液のような分泌物がでるなどの症状がある時、また、検診で異常を指摘

された時などかかりつけ医や専門医を受診されるかと思います。

マンモグラフィーや乳腺エコーなどを行い、乳がんを疑う病変があれば、細胞診や組織診を行います。



  • 細胞診

    血液検査をするような細い針(具体的には23ゲージや22ゲージ針)を用いて、

    エコーで病変を確認しながら、病変を擦って細胞を採取します(下図)

    病変が2,3mmと小さい場合や、乳がんが否定できないときに行います。

    細い針ですので、出血はほぼ無く、当日の入浴も可能です。



  • 組織診

    先ほどの細胞診よりも太い針(当院では16ゲージ)を用いて、細胞診と同様にエコーで

    病変を確認しながら行います(下図)

    悪性が強く疑われた場合の診断目的や治療方針決定の目的で行います。

    太い針を乳房に穿刺するため、1,2mm程度の皮膚切開を行いますので局所麻酔を行います。

    やや太い針で病変をくり抜くイメージです。施行後圧迫しますが、まれに出血することがあります。

    打身の後のように紫の皮下出血班を認めますが、次第に黄色になり、消褪します。

    当日の入浴は控えていただきます。








その他、乳癌の診断目的に行う検査として吸引式乳房組織生検という手技があります。

マンモグラフィー下に行う方法やエコー下に行う方法があります。当院では採用して

おりませんので、適応などについてはご相談ください。